雛人形ができるまで
HOW TO MAKE
知れば知るほど奥深くて面白い、節句人形の豆知識をご紹介します

分業制の雛人形

分業化された熟練の技

雛人形の製作工程は、頭師、髪付師、手足師、小道具師、着付司など、基本的に分業化されています。それぞれのパーツを高度な職人達の熟練の技で作り上げ、ひとつに集結し、雛人形ができあがるのです。

雛人形ができるまで

頭師の工程

頭師の工程は生地作り・型抜きから始まり、乾燥、眼入れ、地塗り、目切り、面相描き…などがあり、どれも熟練な技術と集中力を必要とします。
  • 1型抜き
    引粉(桐の粉)にのりを混ぜて型に流し、乾燥させて、頭の生地をつくります。
  • 2乾燥
    頭を乾燥室に入れて乾燥させます。
  • 3目入れ
    胡粉(ごふん)を膠(にかわ)で練り餅状にし、この餅状のものを眼窩に詰め、その上にガラス製の目を置きます。
  • 4地塗り
    胡粉を膠で練って餅状にしたものを湯に溶かし、頭全体に刷りこむようにして塗り、よく乾燥させます。
  • 5置上げ
    胡粉と膠を練り、地塗り用よりも濃度の高いクリーム状にします。
    細い筆の先にこのクリームを取り、地塗りの済んだ頭の目、鼻、口、あごなど各部分の形を整えるように盛り上げます。
  • 6目切り
    水に浸した柔らかい木綿の布を固く絞り、頭を軽く拭いて胡粉のムラを取り、乾燥後に、目、鼻、口などの置上げをした部分を小刀で削って形を整えます。
  • 7面相描き
    眉毛や髪の毛の生え際などを墨で描き入れ、唇に紅を差します。

髪付師の工程

髪付師の工程は多岐に渡り複雑です。髪の毛を植え付けるための溝を掘り、熱したコテで髪を梳かしながら髪型を作り、鬢(びん)掛け、乾燥、髪結い、飾り付けなどがあります。
  • 1筋彫り
    生え際に沿って、髪の毛を植え込むための溝を彫ります。
  • 2毛吹き
    糸を櫛で良くとかし、先をきれいに切り揃えて糊付けします。 髪を筋彫りした溝の中に順々に目打ちで植え込みます。
  • 3鬢(びん)掛け
    熱いコテで髪を梳かしながら、左右の髪を後ろに引っ張って貼り付けて鬢(びん。日本髪の左右両側の部分)を作ります。
  • 4結い上げ
    植え込んだスガ糸をまとめ、それぞれの髪型に結い上げます。
  • 5飾りつけ
    髪飾りや長髢(かもじ)をつけて仕上げます。

着付司の工程

雛人形の最後の工程を仕上げる着付司。その工程は布地選びから、裁断、縫製、着せつけ、頭付けを行います。
最後は羽織なども整えて、全体のバランスを見ながら調整していきます。
  • 1布地選び
    作ろうとする人形の種類や使用する個所によって布地の柄や配色などを決めます。
  • 2仮衣裳・裁断
    頭の大きさを元に、背の高さや手の長さを割り出して仮の衣裳を作り、何度もそれに修正を加えながら実寸法を決めて裁断します。
  • 3縫製
    表地と裏地を縫い合わせます。袖や襟、身頃などを縫い合わせそれぞれの衣裳を完成させます。
  • 4着せつけ
    襟を重ねて首回りに巻きつけ糊付けをし、次に下着、袴、上着などを順次着せ、人形の姿形に合わせて肩や胸などを綿や木毛で肉付けしながら整えます。
  • 5振付け
    曲げる部分に目打ちを当てて手足に角度をつけ、振付けをします。衣裳に自然の折れ目が出来て、人形が生き生きとした姿になるように作ります。
  • 6頭付け
    最後に頭を取り付け、顔の向きを決め、衣裳や髪の毛の乱れを直して完成します。